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警備員の公共事業労務費調査

 交通誘導警備(2号警備)では、国土交通省の公共事業労務費調査の対象となる場合があります。警備員の待遇改善のため、設計労務単価を向上するための方法についてです。


<警備業と労務費調査関わり>
 国土交通省が行う公共事業労務費調査(略、労務費調査)に対する警備業界からの不信感は大きく、深い問題だと考える警備会社は多いと思います。
 実際、労務費調査に伴う「交通整理員」として設計労務単価が平成9年に公表されてから値下がりし、警備員の賃金や待遇が悪化したことは事実です。
 調査開始当時、多くの警備会社で十分労務管理がなされておらず、社会保険等の未加入問題。正社員等の正規雇用の以外での雇用問題などがあり、その結果が反映されたことが労務単価の大きな値下がりとなりました。
 その後も不適切な待遇条件の下で行われた調査により設計された労務単価により、新たな年度の設計労務単価が公表され警備員の待遇悪化と悪循環を繰り返していました。

 過去には、2007年(平成19年)にて北海道警備業協会の支部において労務費調査の不参加を表明がなされたほか、事業者規模で協力不参加を行う動きがありました。

 2013年(平成25年)からは設計労務単価に社会保険の法定福利費(本人負担分)相当額が反映。また、国土交通省より2017年(平成29年)までに社会保険加入の徹底方針が示されたことで、設計労務単価が実際の警備員の待遇に反映されているかどうかの確認の側面が強くなりました。

<警備員の労務費向上の方法>
 本来、労務費調査は公共工事における適正な設計価格を導き出すための行うもであり、当然に労務費として使用されていないものを労務単価に反映させることはできません。
 そこで、労務費を向上させる方法も限られます。

1.調査対象工事の予測
 今年の労務費調査にてどの工事が調査の対象となるかは事前までわかりません。
 しかし、発注元や工事規模からある程度の労務費調査の対象となりそうな工事を予測(絞る)ことができます。


2.労務単価に配慮した人員編成
 警備員といっても待遇は様々。労務費も個々によって大きくことなります。
 調査対象となる10月分給与の算定期間中の1か月は、1の予測された工事には労務単価の高い人員で現場を編成します。また、社会保険等が未加入であったなら対象となったことを機会に10月より社会保険等の法定福利の加入手続きを行います。※
 労務単価が高くなる人員例:
 正社員 > 社会保険が付与されたアルバイト > 社会保険が付与されていないアルバイト
 ※調査対象となる工事では、社会保険加入徹底により、現在では法定福利に未加入な者は従事することができません。

3.実際の労務費が低い場合
・1の予想が外れた場合。
・対象となる現場が多く、給与の高い警備員を配属できなかった場合。
・会社での労務管理がなされておらず、給与の高い警備員が自社にいない場合。
 どれだけ準備をしても対象工事の労務費が低い結果となる場合もあります。
 このとき、労務費調査を不参加にすればよいのですが、元請(警備会社の顧客)からの協力要請であり、立場上調査を断れないこともあります。
 低い労務費結果を調査にと持ち込むことは、来年の警備業全体の待遇悪化となります。そこで調査結果が翌年の設計労務費反映されないように、意図的に調査上の不備を作り参加します。
 具体的には、支払い明細(給与の振込証明)を忘れる。賃金台帳を忘れる 等です。
 調査票の記載内容の裏付けがとれなければ、調査結果に採用できないルールであるため、調査標本に選ばれることはありません。



 労務費調査や設計労務費の取り扱いの問題。 実際の労務費調査の様子などは、ブログ警備員日記の労務費待遇改善で紹介しています。
 ブログへのリンク:警備員日記 > カテゴリー「労務費待遇改善」
http://keibinn.blog.fc2.com
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