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交通誘導警備員の警備料金の算定方法

 交通誘導警備員に社会保険を含めた法定福利を考慮した場合の適正な警備料金の算定方法。

 平成25年全国警備業協会労務管理問題小委員会において労務単価是正に向けて「交通誘導警備員の警備料金の策定方法」策定されました。
 本ページは、その解説や関連情報を纏めて紹介することを目的としています。
 具体的な算定例は、
 設計労務単価を基にした警備料金の算定式の例 へ
 交通誘導警備員の給与を基にした警備料金の算定式の例 へ

「交通誘導警備員の警備料金の策定方法」セキュリティタイム 2013.8月号による
費目  業務内容 内訳 適用する単価例
直接人件費 警備業法による検定合格者の配置義務のある対象工事における交通誘導警備業務 交通誘導警備業務1級又は2級検定合格警備員 交通誘導員A
※注1
警備業法による検定合格者の配置義務のない対象工事における交通誘導警備業務 その他の交通誘導警備員 交通誘導員B
※注1
間接人件費  直接人件費×必要経費率 ※注2
一般管理費等 (直接人件費+間接人件費)×一般管理費率 ※注3
消費税相当額 (直接人件費+間接人件費+一般管理費等)×消費税率
合計 直接人件費+間接人件費+一般管理費等+消費税相当額

<費目の内容>
1.直接人件費
 直接人件費は、交通誘導警備業務に従事する者(以下「交通誘導警備員」という。)の人件費であって、労働者が負担する保険料(健康・厚生・雇用)を含む。
 管理人の解釈では、賞与がある場合には、賞与積立金及び賞与にかかる法定福利を含めた額を日割したものを含む。(考え方によっては、退職金と賞与は間接人件費と捉える場合もあります。本件では、間接人件費に賞与の明記がない為、直接人件費で明記しました。)
 平成25年9月価額における社会保険等の本人負担額
 ・厚生年金 8.56%
 ・健康保険 5.06%~5.835%
 ・雇用保険 0.5%  計14.12~14.895%

2.間接人件費
 間接人件費は、交通誘導警備員の雇用に伴って必要となる、法定福利費の事業主負担額、労務管理費、安全対策に要する安全費、安全訓練費等。
 平成25年9月価額における社会保険等の事業主負担額
 ・厚生年金 8.56%
 ・健康保険 5.06%~5.835%
 ・雇用保険 0.85%
 ・労災保険 0.65% 計15.12~15.895%
 法定教育費用(現任教育)
 ・(日当×2日分+法定福利分)÷年間労働日数
 ・被服装備品(制服、ベスト、ヘルメット等) 等による。

3.一般管理費等
警備会社における経費等のうち交通誘導警備を実際に行う警備員の直接人件費、間接人件費以外の経費。
(1)一般管理費
交通誘導警備業務の当該業務担当部署以外の経費。
 手配担当者、経理、営業及び役員等の
 ・報酬 ・従業員給与手当 ・退職金 ・法定福利費 ・福利厚生費 ・事務用品費 ・通信交通費 ・動力用水光熱費 ・広告宣伝費 ・交際費 ・寄付金 ・地代家賃 ・減価償却費 ・租税公課 ・保険料 ・雑費等を含みます。
(2)付加利益
付加利益は、当該業務を実施する警備会社を、継続的に運営するのに要する費用、
 法人税、地方税、株主配当金、役員賞与金、内部保留金、支払利息及び割引料、支払保証料、その他の営業外費用等を含みます。

4.消費税相当額
 消費税相当額は、消費税相当分。

休憩等に交代要員が必要となる時の警備料金の算定方法

 休憩・休息時にも交通誘導が必要となるため、休憩等の交代要員が別途必要となる時、実態として交代要員分の警備料金が必要となります。
 国土交通省土木工事・業務の積算基準等での扱いは次の通り
・2018年3月31日までの分
 国土交通省土木工事・業務の積算基準等において、休憩により交代が必要となる場合の官積算が割増係数方式(昼間勤務:交通誘導員の人数×1.2)。配置人数に対して1.2倍のため、交代要員分が1日分に満たないが、実態として交代要員に1日必要となるなど、官積算と実態に乖離が発生していた。

・ 2018年4月1日以降からの分
 国土交通省土木工事・業務の積算基準等において、交通誘導員の官積算について割増係数方式を廃止。
 休憩・休息時間について交通誘導を行う場合、交代要員も交通誘導警備員の人数に含めて計上する方式に改定された。

「交通誘導警備員の警備料金の策定方法」の各種補足資料

※注1
国土交通省公共工事設計労務単価
参考ページ(本サイト内):
交通誘導員 公共工事設計労務単価一覧表

※注2
国土交通省参考公表:建設労働者の雇用に伴い必要な経費の表示(試行)
参考ページ(外部リンク):国土交通省>政策・仕事>土地・建設産業>建設産業・不動産業>建設市場整備トップ>労働・資材対策>公共事業労務費調査・公共工事設計労務単価について
参考公表:建設労働者の雇用に伴い必要な経費の表示(試行)
http://www.mlit.go.jp/
common/000993090.pdf
(リンク切れ)

算定式の例で用いている必要経費率41%は、「建設労働者等の雇用に伴う必要経費を含む金額の参考公表(試行)」による福利厚生費23%、現場作業における経費18%の合算したものであり、基本的に「建設労働者の雇用に伴い必要な経費の表示(試行)」に表記されたものと同じ主旨によるものです。
参考ページ(外部リンク):
国土交通省 建設労働者等の雇用に伴う必要経費を含む金額の参考公表(試行)
http://www.mlit.go.jp/
common/000223990.pdf
(リンク切れ)

※注3
国土交通省土木工事積算基準等を参考
各警備会社における損益計算書の一般管理費及び付加利益の経費比率を参考
損益計算書による一般管理費率の積算方法
 一般管理費率(%)={(販売費及び一般管理費)-(販売費)}÷(売上原価)×100※
 通常通常7~15%程度で積算されるが規模や業務形態により各社毎に差がある



警備業協会にて紹介されているページ(外部リンク):
(一社)岡山県警備業協会 >警備業関連参考資料 > 警備料金
警備料金:警備業関連参考資料
http://okakeikyo.or.jp/
shiryo/ryokin.html


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